近年、フィギュアスケート熱が高まってきていますよね。世間的な認知度もとても高く、だれでも選手の名前を3人は言えてしまうほどメジャーな存在になってきました。
でも、まだフィギュアスケートが下火だったころ、まるで現代活躍している選手たちが出てくるような漫画があったことご存知でしょうか。現在のように、フィギュアスケートの試合を放送してくれる局もまだ少なく、雑誌で特集を組んだりしてくれることもあまりなかった時代にあったフィギュアスケートのスポーツ漫画でした。
それもふんだんに少女漫画の要素を含んだ、小学生から大人まで楽しめる数少ない漫画だったのではないかと思います。なおかつ、今現在読んでも面白く、夢中になれる少女漫画です。
ワン・モア・ジャンプについて
作者:赤石 路代
巻数:全9巻
簡単なあらすじ
この作品はフィギュアスケート一家に生まれた少女が主役です。父親と兄を相次いで亡くします。そして、家族のリビングのように過ごしていたスケートリンクで主人公の少女が、もう誰もいないスケートを続ける意味もないと打ちひしがれているところに、ロシア人の異母兄が突然目の前に現れ彼女を導いていくという始まり方をします。
最終的にはフィギュアでオリンピックに出場してメダルを目指すことになりますが、様々な試練を乗り越えて試合に臨む姿は胸を打ちます。
見どころ
舞台は、リレハンメル五輪と長野五輪の二つの五輪が中心になっています。このころにはまだ長野五輪が開催されるという情報のみの時期でしたので、作者の創造で描かれていますが、リレハンメル五輪のリアリティは半端ありません。
試合シーンでも現実の試合と同じような緊張感が描き出されているので、こちらにも緊張が伝わってきます。そして、作品の中で主人公たちが滑る演技ですが、頭の中で本当にその演技が演じられているような錯覚すら覚えるのがすごいところです。滑り終わって、泣いていたことも一度や二度ではありません。
ストーリーのある演技や、迫力のある思いがこちらまで伝わってきます。オリンピックを目指して、シングルスケーターとして成長していく姿や、周りの人間模様に注目です。
さいごに
フィギュアスケートの動画を気軽に見ることができるようになった昨今ですが、この漫画が連載されていたころにはなかなか選手が演技する姿を見ることはできませんでした。
でも、この時代でも十分に楽しめる完成度の高いフィギュアスケート漫画であると思い、ぜひとも皆さんに読んでいただきたいです。