めるへんめーかという少女マンガ家さんがいます。最近はほとんど作品を発表していませんので知らない人も多いかもしれません。
彼女が描くマンガは魔法だったり幽霊だったり超現実的要素を含んだSFやファンタジーが多いです。
今回、御紹介する「森にすむ人々」は1990~1992年に秋田書店から刊行された全2巻の作品です。
このマンガの特徴は、内容はファンタジーのようなものなのですけれども、魔法や超能力はでてこない、不思議な家族とまるで天使みたいな家政婦さんを描いているという点です。全2巻の短いお話ではありますが読む終わったら、あなたもきっと森に住みたくなること間違いなしですよ。
森にすむ人々について
作者:めるへんめーかー
巻数:全2巻
簡単なあらすじ
作品の舞台は1990年頃の日本です。
郊外の一戸建ての住宅へある少女が訪ねてきます。十代後半くらいの少女の名前は紗良と言います。家の主は、森住海機(もりずみかいじゅ)。中年男性の小説家です。
森住は離婚した妻の連れ子の衿久(えりひさ)と娘と呼んではいるけど実は姪っ子の桐絵(きりえ)の家族3人で暮らしています。家族とは言っても、本当は血のつながりはない疑似家族です。
かっては文学青年だった森住はいまはエログロバイオレンスの人気作家です。そんな彼の家に来た紗良はかっての純文学を書いていた頃の森住の作品のファンで家の表札を見て、もしかしたらと思い訪問したのでした。
行き場がないという紗良は、そのまま森住家に家政婦として住みつくことになり、3人の面倒をみる日々を送ります。
紗良はあくまでかっての森住のファンなので現在の森住の作品を知りません。料理の達人で、てきぱきと家事をこなし紗良のおかげで、森住家の住人たちは生活環境が健全!!になり大喜びです。
そして、森にすむ人々の平和な日々はこのままずっと続くのでしょうか、それとも・・・・・・?
不思議な家政婦さんとの暮らしが見どころ!
ネタを割ってしますと、この作品に悲劇は起こりません。2巻のラストエピソードで紗良は森住家を去ってしまいますが、また戻ってきます。
小説家の家に住む血のつながらない家族と天使みたいな家政婦さんとの幸せな日常生活がこのマンガの見どころです。
長男の衿久は高校生でハーフの美少年ですが、きのいい優しいやつです。紗良にほのかな恋心を抱きますが、それもあくまでほのかな感じです。長女の桐絵はまだ小学生でこの複雑な家庭でそれでも楽しく暮らしています。森住は小説の執筆で締切に追われていつも大変そうです。ヒロインの紗良はしっかりものの家政婦さんですが、いつもほんわかのいやし系の女性です。
ね、これって現実にはありえないファンタジーですよね。
マンガが描かれた当時のファミコンソフトで紗良と衿久が徹ファミしたりするエピソードもあります。作者のめるへんめーかーが当時ゲームにはまっいたのでその影響ですね。
こんな人におすすめ
このマンガはいやし系ほんわかしたファミリーストーリーなので、いま、自分に余裕がない、キリキリしている人におすすめします。
知らないうちに、かたくなっていた気落ちをきっとほぐしてくれますよ。