フィーメンニンは謳うという作品に出ていた、人間と妖精のハーフだった青年が出演しており、世界的にも続編となっておりますが、こちら単独で読めます。
タッジー・マッジーについて
作者:山口美由紀
巻数:全6巻
あらすじ
どうみても、小学生、よくて中学生年代にしか見えない幼い少女の主人公。まだ親の庇護下にあるはずの年齢なのに、何故か一人放浪し、とある『魔女伝説』のある街に、偶然訪れます。
そこで住居を決めたところ、なんとその伝説は本当で、主人公の身の回りには妖しい出来事が…。
こう続くと、なにやら平凡な主人公の巻き込まれストーリーのように思われるかもしれません。
しかし、一番平凡じゃなかったのは実は主人公。主人公は、実は何の変哲もない普通の人間なのに、その年齢が70歳を越えていた……という驚愕の展開。
魔法が使えるわけでもない、魔術師だとかの一族でもない主人公にとって、この不老は呪いでしかないのですが、そこに先ほどの妖精と人間のハーフや、100%妖精のわがままナイスバディがちょっかいを出してきて、主人公はてんやわんやというノリです。
見どころ
この作者さんの作品は、明るくほんわかしていながら、ダークな痛みを持つ暗さを、ときおり混ぜてくれるのがとてもいいスパイスになっています。
他にも自分を人間だと思っていた、操られている人形や、自分が人形だからと、その身を盾にしてしまう別の人形など、息をのむ哀しみのシーンも、それでも優しさがどこかにあるのが救いです。
ほのぼのとしていた主人公が、自分の呪いへと立ち向かい、嘆くだけじゃなくて、自分にできることをやろうと成長していきます。
その進みはじめる姿は、読み手にも勇気をくれ、各キャラクターたちのそれぞれの恋慕や、相手を思うが故の恐れなど、物語の後半になっても読み進める手は止まりません。
安定のハッピーエンド……と、言われてしまうかもしれませんが、登場キャラたちがめでたしめでたしで終わる物語はいつまでも心に残ってくれます。
元気と優しさをくれる、大好きなシリーズです。