ちょっと懐かしい少女漫画の一冊を今回紹介させていただきます。
タイトルは「キュリオショップせぴあ堂」。97年に書かれたこの作品は近年ハーレクインで書かれている高瀬綾さんの作品で、6話からなる短いお話です。
キュリオショップせぴあ堂について
作者:高瀬綾
巻数:全1巻
あらすじ
主人公は中学生の小倉七海。祖父である小倉庄助が経営する古道具店「せぴあ堂」のある街へ引っ越してきた七海。
せぴあ堂は因縁ありそうなアンティークを治すという不思議なお店として知られており、お寺の孫である伊勢崎龍彦は時折、寺で預かった対処に困ったものを祖父に頼まれせぴあ堂へ届けていた。
ところが、実はマオマオという中国の壺に宿った精霊がモノの心を癒し治していたのでした。その精霊の宿った壺を七海が壊してしまい、マオマオは消えまいと七海の体の中に宿ることとなってしまった。
しかし、力が足りず、中学の同級生でもある伊勢崎龍彦に手伝ってもらいながら、骨とう品を治していくのであった。
かわいい絵柄
とにかく絵柄がかわいらしいのです。七海の祖父、庄助もかわいいおじいさんという感じです。
七海に拾われた犬、ミルクもふわっとしていてチャーミングなんです。
今読んでも違和感がない
1997年の作品なのですが、特に年代を感じる部分がありません。
ストーリーの中心は骨とう品です。その骨とう品にまつわる思い出を七海がマオマオの力を借り見て心を癒していくというものなので、誰が読んでも読みやすいと思います。
かわいらしい絵柄も時代を感じさせないので、スムーズに読めるかと思います。
アンティークが好きな人におすすめ
おすすめしたいのはアンティークが好きな人。雑貨などが好きな方にも読んでいただきたいです。
骨とう品店がストーリーの中心です。時には骨董市へ出かける描写もあり、実際の骨董市や骨とう品店を訪れてみたくなるお話が詰まっています。
不思議なストーリーだけど
七海の体の中にマオマオという壺の精霊が宿るという不思議な展開ですが、精霊は大切にされたものにしか宿らないものらしいです。愛情をこめて作られたものを愛情をこめて使用していく。
こうしたことが精霊を生むと聞くと、自分の周りのものを大切に使用したくなります。
昔から何気なく使っているものも、実は親の代、いやその前から大切に使用されていて、使っている人によって物語が生まれていると思います。
その物語をものは忘れていないと思うと自分の持ち物に対して愛情が沸いてしまいます。モノを大切に使うってどういうことなのかを教えてくれる物語です。