今回は、現代のアラサー世代が学生のころ連載されていた、「世界でいちばん大嫌い」のおすすめポイントについて書いていきたいと思います。
この作品は、雑誌「花とゆめ」で1997年から2001年にかけて連載されました。愛称はセカキラ。
コミックス全13巻、完全版が全7巻刊行しています。
簡単なあらすじ
6人兄弟の家庭で育ったしっかり者の長女「秋吉万葉(あきよし かずは)」が、ひょんなことからイケメン美容師の杉本真紀(すぎもと まき)に猛アタックされ、辟易しながらもだんだんと彼に惹かれていくストーリーです。
高校生の万葉と、24歳の真紀。ちょっと大人の恋愛ものかと思いきや、真紀の「とある特徴」でイメージががらりと変わります。
オネエ言葉を操るイケメン!
万葉に思いを寄せる真紀ですが、身長189センチとかなりの長身。実は万葉も179センチと女性にしてはかなり背が高い設定なのですが、そんなことよりも真紀の振る舞いが目を引きます。彼は、なんと一貫してオネエ言葉!
女装しているわけでもなし、男が好きなわけでもなし、ある時期からオネエな立ち振る舞いに目覚めた彼ですが、万葉から見たら「変人」そのもの。
「万葉ちゃ~~~ん」とハートが飛び出さん勢いで迫ってくる真紀に、万葉は嫌悪感を抱くのです。「近寄るな」「変態」と突き離される真紀。時には投げ飛ばされて吐血してたりもします。(笑)
それでも彼はまったくめげません。しつこさ極まりないアタックと優しさで、次第に万葉も心を許していきます。オネエな男性なんて、当時はとってもセンセーショナル。かっこいいと思えない、甘いセリフなんて言えるの?と戸惑う読者がたくさんいたことと思います。
でもご安心を。作者の日高万里さんの繊細かつ美しい絵柄で、真紀の人間らしい奥の部分がすぐに分かります。
それどころか、時折見せる「大人の余裕」らしき表情がとても魅力的で、あっという間に私たち読者も「あれ?かっこいい…」とハマってしまうのです。
そんな真紀ですが、実は複雑な家庭で育ち、彼なりの隠された思いが存在します。そのあたりも、作品中で丁寧に紐解かれていきますので、ぜひお楽しみに。
真紀だけじゃない!個性あふれる友人たち
主人公たちを取り囲む人間関係も、愛あるキャラクターであふれています。
万葉の親友である松岡扇子(まつおか せんこ)は、その美しさで彼女たちの通う女子高において万葉に次ぐ人気を誇ります。
ただし、怒ったりすると突如コミカルな絵柄に変わって狐のようになったり、口から魂を飛ばして見せたり(笑)と、作者の遊び心で人間離れした表情がたくさん見られます。
時に厳しい言葉をかける扇子ですが、とても友人思いで、万葉のことを大切に思っています。彼女の恋愛模様にも注目です。
真紀の友人である本庄徹(ほんじょう とおる)は、母親の切り盛りする美容室を手伝う、ちょっと目つきの悪い男性。けっこう見た目通りで、ちょくちょく万葉や真紀のことをからかったり、ガラの悪い振る舞いが多いです。
しかし実のところ面倒見がよく、懐深い一面もあり、彼らに助言をするシーンも多く見られます。そのギャップのおかげか、読者からの支持がとても高く、人気投票でトップに輝いたことも。
実はこれを書いている私自身も、本庄にメロメロです!
まだまだ多くの登場人物がおり、一人一人のエピソードがていねいに描かれていて、そこも含めてこの作品の魅力と言えます。
おわりに
いかがでしたか?
まさにオネエ男子の先駆けとも言える、杉本真紀の存在がこの作品の最初のポイントです。まだ携帯電話もスマートフォンも普及していない舞台で、万葉と真紀が少しずつ恋愛のステップを踏んでいく姿は、現代では味わえないキュンキュンがたくさん詰まっています。
普通のイケメンじゃ満足できない!という方に、おすすめの作品です!
今では完全版として全7巻発売されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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