実写化もされた「溺れたナイフ」です。主人公でヒロインの恋の相手を、現在ナンバーワン人気俳優の菅田将暉さんが演じましたが、それでも相当プレッシャーだっただろうなと思うくらいにこの主人公が神秘的なかっこよさを持っている人物なのです。
そんな「溺れたナイフ」についてレビューしたいと思います。
溺れるナイフについて
作者:ジョージ朝倉
巻数:全17巻
溺れるナイフはどんなマンガ?
都会の学校でクラスの中で美少女として有名だったヒロインが、父親の仕事の関係で田舎に転校してその田舎で出会う人達との人間関係や変化を舞台に描かれている少女漫画です。
感想
この漫画を読んで感じるのが、人ひとりが周りに与える影響力です。
この主人公は個性が強く、しかし全てを持っているような人物像でだからこそ惹かれる人も多く、その魅力と怖さというのを凄く感じます。
ヒロインの女の子も最初は田舎は嫌だ都会に戻ると考えていたけれども、この主人公の存在で田舎に残る事を選びました。
必ずしもそれだけとは限らないですが、都会の色々なメリットや楽しさよりもその主人公一人の存在が勝ったというくらいに影響を与えたのだと思います。
タイトルの”ナイフ”という言葉について
そしてこの漫画のタイトルにナイフという言葉が入っていますが、これは思春期の己の自我がナイフのように鋭くお互いを突き刺し合うという意味なのではないのかなと思います。
若ければ若いほど刺激により変化は起こるもので、だからこそ関わる人とその人から受ける影響は重要なのだと思います。
この主人公の自我も周りを傷つけてしまうくらいに尖った、それこそナイフのようなものですがそれでも魅力的に感じてしまう、そしてそこで深く関わっていくか距離を置くかどちらを選ぶかという事なのだと思います。
日常生活でもまれにですが、この人凄い、何をしてもかなわないだろうなと思う人との出会いがたまにあります。
その人達と出会った時に、自分とは違うしと諦めるのか、仲良くなってみようとチャレンジするのかで人間の成長は変わってくると思い、たった一人との出会いが人生の転機になったり自分を変えたりする事もあると、人が人に与える影響力の強さというのを考えさせられる作品です。