SF漫画でマシンが出てくる、超能力者が出てくるとなると、今流行の少年向けロボット漫画をイメージする女性も多いでしょう。実は40年以上も前に、こんなにドラマチックで感動するSF漫画があったのです。
「地球へ・・・」始めは少年漫画として連載されていましたが、竹宮惠子氏の作品とあり、いつしか熱烈な女性ファンが増えて少女漫画として地位を確立したのです。
地球へ・・・について
作者:竹宮惠子
巻数:全3巻
あらすじ
コンピュータに管理された未来の社会の話です。
14歳の誕生日を迎えたジョミー・マーキス・シンは、健全な地球(テラ)市民になる為に成人検査を受ける途中、超能力者として覚醒してしまったのです。
社会から追われている超能力者「ミュウ」達を束ねるリーダー、ソルジャー・ブルーの遺志を継ぎ、ミュウの長となったジョミーは、地球連合軍のトップであるエリートの「キース・アニアン」と地球を巡って戦うのです。
イケメンの争いに注目
このマンガの見どころは、何と言っても少女漫画の巨匠である竹宮惠子氏が描く少年キャラの魅力です。少年を描かせたらピカイチの竹宮氏の描くキャラの何とイケメンで美しいことでしょう。
少女漫画が好きな女性ならば、最初にソルジャー・ブルーが登場した瞬間KOされれます。ピュアで真っ直ぐなイケメンのミュウ達に対して、頭脳明晰、沈着冷静のキース・アニアンのダークな美しさも対象的です。
ロボットアニメではありません!
「地球へ・・」には、戦隊ロボットなどは出てきません。スター・ウォーズの様な派手な宇宙戦も殆ど出てきません。
何故ならば、「ミュウと人間との心理的な攻防」をメインにしているからです。
生命とは何だろう、自分は何の為に生まれて来たのだろう、ということを考えさせられます。お互い戦えば疲れる、疲れれば心も弱くなる、そんな部分を描いているのです。
「地球へ・・」の見どころ
このマンガの見どころは、読んでいるうちにキース・アニアンの心境が段々と変化してくる部分です。
最初は地球のコンピュータに忠誠を誓っていたキースですが、ミュウとの戦いを通して段々と気持ちが変化してきます。そして最後の最後、息絶えたジョミーの前で我に返り、コンピュータに向かって大声で叫ぶ部分です。
文字のフォントがハンパないです、読む、というよりは一つの絵として心の中にドーン!と打ち込まれてくる場面です。この最後のセリフを読んで泣ける人も多いでしょう。
SF漫画は子供向け、そう考えている人には目からウロコの作品です。
古さを全く感じさせない絵柄とストーリーですので、是非読んでみて下さいね。