天は赤い河のほとりについて
作者:篠原千絵
巻数:全28巻
概要
名作と名高い作品です。中学生のユーリが、古代の王国ヒッタイトにタイムスリップするお話です。
生贄として呪術で呼び寄せられたユーリを、第三皇子であるカイルが匿うところから物語がスタートします。恋愛を中心としたストーリーですが、当時の文化や思想、歴史なども知ることができます。
感想
漫画の舞台が古代オリエントというのは珍しいと思います。鉄の価値や当時の戦争、思想、道具など主人公のユーリと一緒に勉強もでき、ちょっと得した気分になれます。
今の少女漫画に慣れていると、絵柄に違和感を感じるかもしれませんが、全28巻もあるので慣れます。読まないと損だと思うくらいの面白さです。
魅力的なのは登場人物です。
最初はユーリを助けた皇子カイルの周辺のキャラクターがメインですが、当時の国家間の戦の中でユーリは様々な仲間を得ていきます。
最初はユーリを疑っていた者。敵国の人々。ユーリを試す人々。最初はいけ好かないと思っていたキャラクターの裏側が少しづつ書かれる度に、好きなキャラクターが増えていきます。人気が高いのは後半のエジプト関係で出てくるラムセスですが、ミタンニという国の黒太子もなかなか魅力的です。
とにかく登場人物が多いので、読んでいて飽きません。
後は少女漫画の王道。恋の行方です。最初はすれ違う二人にやきもき。
くっついたらくっついたで、国の重要人物としてあちこちに攫われるユーリのピンチにハラハラ。とにかく引き裂かれそうになる二人がいつラブラブな時間を過ごせるのか、安心できる暇がなく、ぐいぐい引き込まれました。
天は赤い河のほとりを読んで変わったこと
読んでいるうちに古代オリエントに興味を持ち、近くの博物館などで企画展があると足を運ぶようになりました。
漫画に出てきたものの複製や、関係があるものの展示。文化に関する展示などを見て更に古代オリエントに詳しくなりました。
漫画を読んでからしばらく経っていましたが、大学時代に『天は赤い河のほとり』好きさんに出会い、意気投合。すぐに仲良くなりました。
歴女・タイムスリップものが好きな人はもちろん、王道の少女漫画の展開が大好きな人にもお勧めの漫画です。