今回は、2006年から「YOU」で掲載された「槇村さとる」さんの「Real Clothes(リアル・クローズ)」をレビューしたいと思います。
簡単なあらすじ
百貨店のふとん売場できびきびと働く女性販売員「天野絹恵」は、前向きで明るく、将来結婚しそうな彼氏もいる27歳。ある時、その巧みな販売手腕を見込まれ、百貨店の花形部門である婦人服売場への異動が命じられます。
内面の充実とは裏腹に、洋服やメイクで外見を着飾ることにあまり関心のなかった絹恵は、希望していなかった新しい職場環境にかなり戸惑うと同時に、自分の外見が想像以上に整っていない事に気づかされます。
辛口な美熟女の婦人服統括部長「神保美姫」や腕利きバイヤーの「田渕優作」、厳しい物言いながら理解しあえる同僚達に支えられながら、絹恵は服飾の仕事と自らを高めていく事の面白さに目覚めていくのですが・・・。
Real Clothesについて
作者:槇村さとる
巻数:全13巻
厳しい人間関係の中で仕事にやりがいを見つける主人公が見どころ!
この作品はどこを切り取ってもポジティブな内容に仕上がっている、今時の働く女性のサクセスストーリーになっています。
主人公はさまざまな困難に立ち向かい、周囲の助けを借りながら自らの道を切り開いていきます。気持ちは常に前向きで、厳しく注意されても、辛い出来事があっても、何とかギリギリの所で乗り越えます。
時には、難しい局面に立たされ、自ら苦労する道を選ぶような真面目さがあるので、人によっては、その判断が辛すぎて、自分とはちょっと違うなあと思うかもしれませんが、一方で、誰もが心に秘める「向上心」「仕事へのやりがい」に共感できるよう、エピソードや心情が上手く描かれており、そこが大きな見どころになっています。
こんな人におすすめ
バリバリのキャリアウーマンやカリスマバイヤー、辛辣だけど仕事に真剣に取り組む同僚達、日和見主義の人達等々、この物語には、個性豊かなキャラクターが多数登場します。
主人公の絹恵はそのポジティブな性格で、これらの個性的な面々と向き合いながら、仕事も恋愛の悩みも乗り越えていこうと日々奮闘します。
主人公を含む30歳前後の女性というものは、働いている会社で出世や昇進を目指すべきなのか、いつ結婚するのか、結婚しても働き続けられるのか、といった様々な悩みを持っていることが多く、そのような岐路に立たされていく主人公の苦悩に共感できる方も多いはずです。
ということで、このマンガは百貨店の婦人服売場の販売員の物語ですが、この業界に限った内容ではなく、働く女性全般にオススメのマンガです。