一度は名前を聞いたことのある名作って、今更とっつきにくいけど、でも内容は気になるものですよね。
今回は、そんな名作少女マンガ「ポーの一族」について解説していきます。
ポーの一族について
作者:萩尾望都
巻数:全5巻
簡単なあらすじ
主人公エドガーは、14才の少し大人びた少年です。彼はポーツネル男爵夫妻と妹のメリーベルと共に旅をしながら暮らしています。
しかし、この一家はちょっと不思議なところがあり、実際にとある秘密がありました。実は彼らは、永遠の命を生き、人間の生命のエナジーを吸って生きるバンパネラの一族だったのです。
ストーリーは、この一家が新しい町へ越してきたところから始まります。新しい出会いは、バンパネラ一族に新しい仲間を引き入れる機会でもありましたが、やがて来る悲劇の始まりでもありました。エドガーにも、アランという友達ができて・・・?
注目すべきはここ!
とにかく主人公のエドガーが魅力的です!14歳でバンパネラになったので、見た目は14歳の美少年ですが、もう100年以上も生きているという設定で、その大人びた言動は、読者である少女達にはそれはもう魅力的に映ったことだろうと思います。
そして、子供の姿のまま永遠の命を生きることになったエドガーの孤独が生々しく描かれていて、読むと胸が痛みます。それに、途中から共に旅をすることとなるアランも美少年という設定で、とにかく全てが耽美的なのです。
そして、彼らの姿は時代を超えて描かれるので、ちょっとした大河ドラマのようで壮大です。それぞれの時代背景や、舞台となった国や文化などにも触れられており、とても興味深く読めます。
エドガーやアランの足跡を、時間軸や地図上で追うのも、マニアックですが作品の一つの楽しみ方だと思います。
こんな人におすすめ
どんな人が読んでも楽しめるくらいの名作だとは思いますが、ちょっと文学的なので、読書や映画観賞が趣味の方には特にうってつけの作品だと思います。逆に、少しマニアックなテイストであることも否めないので、軽い読み物を期待されている場合は、あまりおすすめでないかも知れません。
また、やはり当時も少女マンガ雑誌に掲載されていただけあって、基本的には大人向けに描かれたものではありません。
もちろん大人が読んでも十分鑑賞には堪えますが、やっぱり若い人が読んだ方が心に響くものが大きいと思います。若い人と言っても、思春期の方々ばかりでなく、20代の若い感性でも、たくさん感じとって楽しんで読めると思います。