少女マンガですが実写ドラマ化され、一時流行語にも選ばれた「オトメン」は、文武両道、容姿端麗、男らしさも礼儀正しさもイケメンっぷりも持ち合わせているのに、心の中では女の子らしさに憧れていた主人公の、恋物語です。
そんな「オトメン」についてレビューしたいと思います。
オトメンについて
作者:菅野文
巻数:全18巻
あらすじと感想
主人公が幼い時に、実の父がいきなり「オレは本当は女になりたかったんだ!」と家を出てしまいます。
そのショックで母親は主人公に対して「あなたは男らしい男になりなさい」と言い続けながら女手一つで育ててくれます。主人公はそんな母の言い分を守る為に、完璧な男子高校生として成長します。
しかしそんな主人公ですが、実はいなくなってしまった父と同じく可愛いぬいぐるみや細工の凝ったスイーツ、お料理作りも本当は大好きでしかたありません。その心を殺しながら日々の生活を過ごしていました。
そんな中、出会ったのは、美人だけど料理は壊滅的、性格は優しいのだけれど、武道で人をバンバン投げ倒す勢いのある「男らしい女の子」。
主人公の友人に本当は男だけどそれを隠して少女マンガ家をやっている方がいるんですが、彼は二人の仲をこっそり漫画にして多くの支持を受けているので、なんとか二人をくっつけるべく(勿論友人たちを思っての行動でもありますが)紛争します。
しかし、肝心の二人が自分たちの気持ちになかなか気づかないと言うラブコメディが繰り広げられます。
他にも失踪したはずの父親はひげもじゃの近所のスイーツ店オーナーとして影ながら主人公を応援したりと、かなりカオスながら笑える人間関係ドラマが、色々続きます。
お約束的に主人公やヒロインに、横恋慕してくるキャラクターもいます。おっとり腹黒プリンセスだったり、ヒロインを男の子と勘違いをして「男を好きになった!?」と葛藤したり、かと思えば主人公の母が学校の理事長なので、いきなり学園の規則を変えて振り回されたりと、普通の少女マンガでは起こりえないどたばたが、これでもかと続きます。
ラストは皆が望むハッピーエンド……とだけで終わらないのがこの漫画で、父親が衝撃の変身をして出てくるラストまで、見ごたえありです。