登校拒否をした主人公の中学生の女の子と会社を辞めた義父(母親の再婚相手)、2人で会社を作って活動することにしました。
会社が軌道にのるまでの悪戦苦闘、慣れないことの連続でときには大失敗をしたりしながら女の子と義父は人生で大事なことを学んでいきます。
毎日が夏休みについて
作者:大島 弓子
巻数:全1巻
さらに少し詳しいあらすじ
女の子が登校拒否をした理由は”いじめ”です。いじめられた子をかばったら次は自分がいじめのターゲットにされた、というつらい立場です。義父は会社の方針に納得できなくなって辞めました。
2人の会社はいわゆる便利屋です。中学生の女の子と会社ではエリートでも家事をほとんど知らない義父が、最初からちゃんと仕事ができるわけがなく、当然トラブル続きです。
母は2人が学校や会社に行っていないことに全然気づいてなく、2人が仕事のためにすることがすべて気に入りません。少し前まで名門女子校に通っている成績優秀の娘や、大きな会社に勤めるエリートの夫を自慢していたのに、2人が便利屋を始めてからは近所からネガティブな噂話のたねになってしまったということが耐えられなくなります。
ここがポイント
ポイントはいくつもありますが、そのひとつをあげるとしたら”義父であること”だと思います。義父は女の子が12~3歳のころに母が再婚した相手なので、いわゆる産みの父(?)よりは冷静に見て考えられます。
女の子の登校拒否を責めたりせず、女の子が母親に打ち明けられなかったことについても、そのことで妻を責めることはせずに”娘と一緒に仕事をする”という決断をするのです。こういうことは普通のお父さんだったら考えられないと思うのです。
2人の仕事ぶりを苦々しく思っている母がとった行動もポイントです。
義父自身も離婚歴があり、前の奥さんが2人の便利屋に仕事を依頼するのですが、そのときのやりとりは大人ならではの苦さがあり、結婚や離婚はしてない人でも思い当たることがあるかもしれません。
そしてそんな2人のやりとりを聞いている女の子の冷めたコメントには、苦笑いするしかありません。
こんな人におすすめ
学校に行きたくないと思ってる人、会社に違和感を感じている人が読めば、気持ちが少し軽くなると思います。
今いる環境を違う視点で見られるようになります。周りがよしとしていることについて疑問を感じている人にもおすすめです。
この作品が描かれてから数十年、今でもテーマは古くなりません。