もしも自分が実はどこかの王族の血筋だったら・・・。誰しも1度はそんな設定に憧れたことがあるのではないでしょうか。
今回は主人公やその仲間たちは、実は各国の要人の血筋だったという、衝撃的かつファンタジー要素満載の輝夜姫をレビューしたいと思います。
輝夜姫について
作者:清水玲子
巻数:全27巻
複雑なストーリー設定がなされている輝夜姫
この作品の主な舞台となるのは、神淵島となります。孤児として施設で育った主人公の晶は、5歳の時岡田家に引き取られます。
そちらでの生活は決して幸せとは言えないものでした。15歳となった時、米軍主催の神淵島のU.G.キャンプに参加することになります。実はその島は晶が子供の頃過ごした場所でした。しかも、そのキャンプに集まった仲間も子供の頃一緒に過ごしていたものばかりだったのです。
そこで育てられた子供は、実は各国の要人のドナーでした。本体に何かあった時の臓器移植要員として育てられていたのです。それだけでなく、月の石によるカビ、天人といった要素も絡み合い、多くの仲間達が死んでいく中、晶は様々な困難に立ち向かいながら何とか生き延びていくというお話です。
かなり複雑なストーリー展開なので、説明するのが難しいのが正直なところです。
ストーリーはわからなくても感動できちゃうのが凄い!
最初のうちは、いわゆるかぐや姫の話をベースにしているだけなのかなと思ったのですが、それがそうではなかったのです。
天人へのいけにえ、要人のドナー月の石のカビなどなど、後半は特に様々な設定が複雑に絡み合ってくるので、ますますわけがわからなくなってくるのが正直なところです。
ただそれでも毎回涙してしまうのがこの輝夜姫の凄い所。ストーリーはそれこそざっくり理解していればいいのです。場面場面で感動のシーンが出てくるので、それだけでイイ!という満足感がでちゃう漫画なのです。
この輝夜姫でも清水玲子ワールドが広がっています。読んでいると登場人物の感情が流れ込んできます。涙腺を刺激する描写がしっかりなされているので、ついつい涙が流れてしまいます。
特に感動するのが、碧が死ぬシーンです。「晶を守ってくれ」と最後の最後まで晶のことを思いながら死んでいく碧の気持ちが痛い程伝わってきて、涙が止まりませんでした。とにかく後半につれて、感動の嵐が襲ってきます。
感動したい人におすすめ!
ちょっとストーリーが複雑ですが、泣けること間違いなしの作品です。
ストーリーの方はざっくりと理解していれば十分!後は清水玲子ワールドに自然に入り込めるので、ついつい涙腺が緩んでしまうことでしょう。ファンタジーの世界にどっぷりハマりたい方、思いっきり泣きたい気分の方に是非とも読んでいただきたいです!