知らない世界にあこがれる事って、ありますよね。子供のころだったら、ピアノやフィギュアスケート、テニスなどに憧れて、やってみたいと思った人は少なくないと思います。
今回は、70年代に書かれ、テレビアニメや映画化もされ、漫画アニメの世界だけでなくテニス人気まで高めて大ブームを起こした伝説のスポーツ漫画「エースをねらえ!」をレビューしたいと思います。
エースをねらえ!について
作者:山本鈴美香
巻数:全18巻
簡単なあらすじ
主人公の岡ひろみは、テニスの名門高校である西高に入学したばかりの高校1年生です。テニスの経験はなく、高校女子テニスで日本一の先輩である竜崎麗香(通称・お蝶夫人)にあこがれ、テニス部に入りました。
ある日、テニス部に新しいコーチが赴任してきます。今までとはまったく違う厳しい練習を課す鬼コーチ・宗方は、岡の秘めた才能に気づき、彼女を大抜擢します。テニス部全体から反感があがる中で、宗方は岡のコーチに取り掛かります。
成長物語としての面白さ
この物語のおもしろさは、なんといっても主人公の成長にあると思います!
主人公の岡は、最初から素晴らしいテニス選手であったわけではありません。また、何もせずに気合いだけで急に相手より強くなったりする、漫画的な荒唐無稽な主人公でもありません。
最初はお蝶夫人にあこがれて入っただけのテニス部で、自分が上達するとはどういう事なのか、スポーツの本当の素晴らしさとは何なのかという事を学びます。
最初は鬼コーチのきついしごきに耐えるだけであったところから、みずから練習に取り組むようになっていきます。こうした岡の魅力のほかに、彼女と対比される他の登場人物も魅力的でした。
お蝶夫人は、岡とは違い、子供のころからテニスの英才教育を受けています。岡の大きな壁となるお蘭は、岡にある世界でトップになるのはどういう事なのかを岡に痛感させます。
それぞれ違う環境にある登場人物との対比で、岡の変化がとてもよく伝わり、同時にひとつの世界で成長するという事の意味を感じさせられ、胸にひびきました。最初は身体能力に恵まれていただけの岡が、次第に高校女子テニス界のトップであるお蝶夫人に迫っていくその成長物語は、物語のスリルだけでなく、成長物語としてもとても魅力があり、読み始めたら一気に読んでしまいました!
少女漫画で、一流の世界を書いた最初期の作品
スポ根漫画と揶揄される事もある漫画ですが、どんな世界でも一流どころになると厳しい世界だと思います。少女漫画の世界で、こうしたお手軽でない一流の世界を描いた最初期の作品として、ぜひとも読んでおきたい漫画だと思います!
※無料お試し読みリンク先はebookJapanというサイトです。ここは2000年から続いている電子書籍販売サイトで上場もしており、マンガのラインナップは豊富で世界最大級をうたっています。