普段少女マンガを読まない男性にも、当時こちらの単行本を手にさせた、ブームを作った伝説の少女マンガですので、20代~30代の方の多くが知っている作品です。
動物のお医者さんについて
作者:佐々木倫子
巻数:全8巻
あらすじ
主人公の、おっとり…を通り越し、少し老人のような達成ぶりがある公輝ことハム輝。ある日通りすがりの大学教授に、ハスキーの子犬を無理やり押し付けられ「君は将来獣医になる!」と予言をされます。
当時高校生だったハム輝ですが、自分の小遣いで育てるならと許可を貰い、色々な飼いかたを探求した結果、自分が十位になれば、医者代も安くつくと、北海道の獣医学部を受験、見事に合格します。
そんな大学生活の裏側や、個性あふれる、でも日常で廻りに実際に存在しそうな困ったさんとのやり取りが、どこを読んでも楽しい上に、印象的な動物名言がこれでもかといっぱい詰まっています。
感想
有名なのは、犬ぞりでハスキーたちが「オレはやるぜオレはやるぜ」「そうかやるのか」「やるならやらねば」と一丸となって走る様子や、鼠が大嫌いなのに、獣医学部に進んでしまった主人公の友人が、自分を騙すために教材の鼠の写真に「ワタシはリス 尻尾を剃られたの」と記入をしたり、犬の口の黒い部分をさして「犬の口にはゴムパッキンがある」と詩を書いたり、動物好きならなるほどとくすりとくる印象的な言葉は、20年近くたっている今でも、印象に残っています。
少女マンガで分類はされておりますが、恋愛に関してはほとんど…いやまったく絡むことはありません。
一部少女マンガっぽい展開があった!?と思えば、そのお話では「だって腸をこの人が乱暴に詰めたんです」と意味不明な一言に繋がり、やはり恋愛でなかったと言う、読者にとっては、予定調和だけれど、まさかそこまで…と笑いたくなる仕上がりのお話になっていました。
男性女性、老若男女問わずに動物好きなら楽しめるシリーズです。動物がさほど好きでなくても、獣医学部の裏側を知るエッセイ漫画的な要素も強いので、そちらを目当てに読むのもいいですね。