恋愛にあこがれる事ってありますよね。でも、「かっこいい人が彼だったらいいな」とか、そういう表層的なところよりももっと深く入って、お互いに身をけずってでも相手を求める大恋愛というのは、それが出来る人でも、一生で何度もできないものだと思います。
そんな大恋愛を描いた作品が、「ハイティーン・ブギ」です。
ハイティーン・ブギについて
作者:牧野和子
巻数:全26巻
簡単なあらすじ
暴走族のリーダーである藤丸翔は、財閥の御曹司でもあります。不良で色々な高校を転々とする彼ですが、新しく入学した学校で、成績優秀の桃子と出会います。
桃子は両親を亡くし、親戚の経営する喫茶店に預けられてウェイトレスとして働いています。
積極的に桃子にアプローチする翔ですが、桃子は取り合おうとしません。
そんな時に、桃子が義理の兄からレ○プされそうになります。行き場のなくなった桃子に、翔は自分の家に来るように言いますが、翔も親から勘当されてしまいます。
熱く「一緒に生きていく」ところが見どころ!
恋愛って、理屈だけでなく、心から湧き上がるような感情がとっても大きいものだと思います。「ハイティーン・ブギ」の素晴らしい所は、この恋愛の感情的な熱さが強く伝わってくるところです。
ハイティーン・ブギの場合、その熱さは理屈ではなく、翔と桃子というふたりの主人公の行動になって現れます。
障害があった時に、あきらめる事も人間は出来ます。でも翔と桃子は、あきらめる事よりもふたりで生きる事を選択していきます。
翔はあきらめれば財閥の御曹司としていい暮らしが出来るのに、桃子と生きるためにガソリンスタンドで働き、彼女に子供が出来ると養育費を稼ぐために夜の工事現場での仕事でもやります。
桃子は、翔を傷つけないようにひそかに学校を退学し、ブティックで働きます。
ふたりを別れさせようという障害も、ふたりは乗り越えていきます。
翔は船から海に飛び込み、桃子の元へ帰ってきて、ずぶ濡れのまま桃子と抱き合います。
恋愛に冷めてきた現代ですが、大恋愛の熱い気持ちって、こういう止められないような強さがあるものだという事を思い出させてくれる、また恋愛とはこうあってほしいとも思う、素晴らしい作品だと思いました。
こんな人におすすめ
恋愛って、まだあまり経験した事のない人には憧れでもあるでしょうし、何度も経験した人は、反対に恋愛の熱さを忘れてしまう事もあるものじゃないかと思います。
どちらの人にも、「ああ、恋愛ってこういうものだよね」と思わせてくれる、素晴らしい作品です!