ふいに学生時代の恋愛について思い出すことはありませんか。今回はどこにでもいる一人の女の子が一途な恋愛に身を捧げる学園もの恋愛マンガ「あずきちゃん」をレビューしたいと思います。
あずきちゃんについて
作者:秋元 康
巻数:全5巻
あらすじ
この作品の舞台は学校で主人公あずきちゃんこと野山あずさが小学校5年生から中学校を卒業するまでが生き生きと描かれています。
異性を奪い合うための子供の戦略が見どころ
この作品は絵が優しいタッチで描かれているもののそれぞれのキャラが異性を奪うために意地悪な行動を取ります。
例えば転校生の小笠原勇之助を巡るあずきちゃんとヨーコちゃんとの熾烈な戦いでは何度もそうしたシーンが見られます。勇之助の隣の席を事あるごとに陣取り他者を近づけさせないようにしたり芸術祭では自らストーリーを作りあげて自分を主人公にして彼に近づいたりもします。
あえて高価な装いをして大人ぶるなどしてあずきちゃんにジェラシーを感じさせるシーンも度々みられます。私はこういったシーン一つ一つが子供臭く学生時代の懐かしい思い出がよみがえると感じました。
男性陣もお目当ての異性のためには黙っていません。勇之介はクールに振舞いながらもあずきちゃんに近づき触ったりデートの約束をさりげなくしてアピールします(やることをちゃんとやる計画的な男です)
興味のない女子にも優しさを示すところから感違いさせやすい弱点もありますが基本的にはあずきちゃん一筋です。勇之介のライバルであるケンは勇之介と仲が良いため嫌がらせや意地悪なことはしないし言わないのですが、その分あずきちゃんにあたります。
あずきちゃんを必要にいじめたりちょっかいを出して気を引きます。このケンはクラスに何人かはいる典型的な男子で見ているとほっこりします。時には勇之介ではなくケンを応援している自分がいる程です。
途中参戦のイケメンに取られるなーといった感情でしょうか。
こんな人におすすめ
最近は大人びた難しいストーリーや構成の恋愛マンガが増えてきたように感じます。ですからわかりやすく子供っぽいストーリーを求めている人にこの漫画はお勧めです。
さらに中学編ではそれまで子供っぽかったキャラたちがそれなりに成長し深い考えや行動を見せるようになります。この小学校から中学校の変化の描写がウマすぎる!と作品を読むたびに感じています。恋愛の仕方や学校での流行りも以前とは比べ物にならないほど、ませてきます。
大人になりきれないあずきちゃんがまわりのおませさんたちに翻弄されながらも大人になっていく様をページをめくるたびに見られるのもこの漫画の醍醐味と言えるでしょう。是非一度「あずきちゃん」を完読なさってみてください。
きっとあなたの心に学生時代の温かで甘酸っぱい思い出が広がるに違いありません。