今回は、少女マンガっぽくない「となりの怪物くん」という作品について紹介したいと思います!
あらすじ
成績優秀、冷徹で努力家の主人公シズク。入学式に流血騒ぎをおこして以来学校に来ない、となりの席のハルにプリントを届けたところからふたりは友達に。友達すら少なかった不器用なふたりが少しづつ周りと打ち解けながら恋するストーリーです。
となりの怪物くんについて
作者:ろびこ
巻数:全13巻
王道の少女漫画ストーリーじゃない!
作画、セリフ、空気感が全体的になんだかさわやかな感じがします!少女漫画というとどうしても女子の女子らしい部分全開で、女友達と好きな人を取り合ったり、友達カップルのトラブルに巻き込まれたり…結構激しめの展開もありますよね。
たしかにそれも読みごたえやドキドキがいっぱいで楽しめますが、本作の魅力はなんと言ってもこのあっさり度だと思います。あっさりというと食べ物みたいですが、本当に読んでいて腹立つような嫌なキャラクターが一人もいません。それぞれとても魅力的で、現実世界にいたとしても友達になれそうな応援したくなるキャラばかりです。
主人公カップルの恋だけでなく、脇キャラ陣の心情の動きなんかも繊細に描かれていて何度読んでも発見があります。
また作画が最高です!少女漫画のなかではわりとシャープなほうかなと思います。目や髪、涙の表現がシンプルかつ美しいです。印象として、開いてパッと見たときあんまり黒っぽくない。線が細くてさわやかです。
言い過ぎない、恥ずかしくないセリフで、主人公の心の声的な文字表現も多くなくポエミー過ぎず。字の情報が若干抑えめなぶん、表情は豊かですが大事なシーンも顔アップばかりではなくて緩急が素敵です。ギャグっぽいシーンの作画もかわいくてお気に入りです。
今となっては懐かしいガラケーのメールで登場人物がやり取りしているのもかわいいですね。それぞれキャラの服装や兄弟構成にも個性がでていて楽しめます。
こんな人におすすめ
ドロドロした少女漫画がちょっと苦手な方はとてもはまると思います。感情移入せずさらっと読めますがときめくシーンはたくさんあります!少女漫画独特の作画にくどさを感じてしまう人にも抵抗なく読めそうです。
あとは当て馬的な脇の男子キャラをつい応援したくなる人にはぜひ読んでもらいたいです!キャラの魅力が半端ないです。全13巻というすごくちょうどいい分量で完結しているので展開が中だるみせず、飽きずに最後まで読めます。
アニメ化も実写映画化もされましたが、やはりこの作画、セリフ、展開の繊細さは原作が一番楽しめるのではないでしょうか。