今回は少女漫画の歴史をかかる上で重要な作品の1つに挙げる人も多いときめきトゥナイトを取り上げてみたいと思います。ときめきトゥナイトは池野恋先生の原作で1982年から1994年にかけて連載されて、全30巻で構成されています。
1982年のテレビアニメ化された全34話はCS放送の再放送で視聴していますが、1部の設定をベースにした部分や1部を元にしたオリジナルの部分があると解釈しています。
ときめきトゥナイトについて
作者:池野恋
巻数:30巻
簡単な構成やあらすじ
ときめきトゥナイトは1部の吸血鬼と狼女の娘の江藤蘭世、2部の蘭世の弟のガールフレンドの市橋なるみ、3部の蘭世と1部のヒーロー真壁俊の娘の真壁愛良を中心として、3部構成がされた異色な少女漫画です。最終部である3部に行き着く過程のそれぞれの部で完結はさせていますが、後に引き継いだ部分も多くあります。
1部は主人公の江藤蘭世を中心に3角関係を描いています。蘭世が恋するプロボクサーを目指して日々の特訓を積んでいくイケメン君の真壁俊と恋のライバルとして描かれる行動派の女の子の神谷曜子と3角関係を形成しています。蘭世と曜子は最初は恋のライバルを含んだ揉め事ばかりですが、だんだんと友情が芽生えていきます。
ドタバタ展開やキャラクターが魅力
ときめきトゥナイトは、少女漫画だからできる揉め事などのデフォルメの展開は今見ても個性を感じます。1部の主人公の江藤蘭世は吸血鬼の血を次いでいるため、血を吸う場面も描かれますが、漫画のよさで生々しくならずに描けている部分も世代を問わずに読みやすいところです。
さらに主人公以外のキャラクターも魅力的です。蘭世の弟の江藤鈴世は1部では幼い感じがかわいらしく、感情移入がしやすいところです。勉強やテストの成績は優秀、頭脳明晰で困難な時に手助けしてくれるような存在です。2部以降は何度か性格が変化してしまうため、1部とは異なる立場や変化など多くの部分で楽しめるキャラクターです。
また、他の少女漫画には見られないほどに蘭世の両親は個性があり、読む人によっては癖になる部分があります。江藤望里父の江藤望里は吸血鬼で小説家という異色な設定が面白いキャラクターであり、他人の前ではダンディーでも家族の前だとオチャメな部分も読んでいて喜怒哀楽の面白さが感じられます。
個性を求める人に読んで欲しい
ときめきトゥナイトは、少女漫画の王道要素もありますが、独自な個性が目立つ作品であり、個性が高い少女漫画を楽しみたいにおすすめです。
3部構成で完成させている点も魅力であり、1部の主人公や登場人物が2部や3部ではどのように作品に関わってくるのかなど、全体で幅の広い楽しみ方ができ、3部構成だから描ける深みを感じたい人にもおすすめです。