今回は、高校生男女の恋愛模様はもちろん、友情物語もアツい「天使なんかじゃない」をレビューしたいと思います。
天使なんかじゃないについて
作者:矢沢あい
巻数:全8巻
簡単なあらすじ
舞台は、創立されたばかりの私立聖学園。第一期の生徒会役員に選ばれた冴島翠、須藤晃ら5人は、慣れない環境に戸惑いながらも仕事を全うし、成長していきます。翠と晃は周囲をもヤキモキさせながら近づいていきます。
翠の一途さ、そして翠と晃の恋愛模様がとにかく気になる!
翠の、全てのことにまっすぐぶつかっていく一途さは読んでいて眩しく、このマンガの一番の魅力になっています。
高校生活や生徒会での仕事に関してもとにかくひたむきに向き合います。他の人であれば投げ出してしまうような仕事も一人でもこなし、困った人がいれば放っておけなくて必ず手を差し伸べます。
恋愛や友情でもこのまっすぐさは発揮されます。同じ生徒会役員で少し不器用な性格の麻宮裕子とすれ違いが生じた時の名セリフ「あんたがあたしを嫌いでも あたしは好きよマミリン!」、そしてその後の間宮裕子の「あたしは冴島翠みたいになりたい」という言葉は有名です。
太陽のような笑顔で大きな口を開けて笑う翠ですが、晃との恋愛は最初からうまくいくわけではなく、すれ違いや切ない思いをすることもしばしば。そんな時に表情も、読んでいる私たちの胸に刺さります。
2人はお互い両思いなのに、周りの状況などを気にしてなかなかうまく交わらず、見ているこちらがやきもきしてしまいます。そんな状況を打破するのも、結局は翠の一途さなんですよね。「天使なんかじゃないけど晃のためならあたし天使になる」なんて翠の思いが、もうたまりません。
あと、矢沢あいさんの作品はどれもそうですが、とにかく登場人物がみんなそれぞれに素敵なんです。主人公だけじゃなく、どの人もきちんと良いところと悪いところを持っていて、完全な悪人なんていない!最初は「何だこの人」と思うような人物も、読んでいるうちにその人の本当の思いが見えてきたりして、いつの間にか応援してしまったり感情移入してしまったりしてるんですよね。
いろんな年代の人に読んでもらいたい!
この作品は、読む年齢によって感動する場面が違うのが特徴です。
小中学校のころはまだあまり恋愛を知らないので、友情物語などに感情移入します。ですが高校生や大学生になって恋愛を経験してから読むと、翠と晃それぞれの気持ちが分かったりして、昔はわからなかった2人のすれ違いの原因や心のつながりを感じて号泣してしまいます。
また、大人になってからは、失ってしまった翠の真っ直ぐさやひたむきさがまぶしくて、そこに感情移入してしまったり・・・。なので、本当にいろんな年代の人に、何度も読んでもらいたい作品です!
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