今回はシックスハーフの感想について書きたいと思います。
大まかなあらすじ
主人公の詩織は事故で記憶喪失になります。兄と妹の三人暮らしだった事を教えてもらった詩織は、恐怖を感じながらも少しずつ元の生活に戻っていきます。優しい兄に恋を抱きながら、空っぽの自分を埋めるために芸能界に自分の活路を見出していきます。
以前の自分の記憶に翻弄されながらどうして自分が記憶喪失になったかわかり、兄に対しての気持ちを認識した詩織は兄から離れようとしますが兄も自分を好きだとわかり、最後は思いを通じ合います。
シックスハーフについて
作者:池谷理香子
巻数:全11巻
読んだ感想
最初は詩織が記憶がなくて、何もわからなくて恐怖を抱いている姿に同情しました。確かに自分も何もわからなくて突然一人ぼっちになったら怖くなるでしょう。そんな中で優しく接して全てを肯定してくれる兄がいたら、好きになってしまうに違いないです。兄に恋してしまったと苦しむ詩織に益々同情しました。
以前の自分がどうにも嫌な人間で、色々な人間を苦しめていた事を知って記憶が戻りたくないと考える所にはまた同情しました。自分に思いを寄せてくれる開と本当に好き合って、芸能界で自分の居場所を見つけていく詩織を応援していました。
記憶が戻ってからまた嫌な詩織になりそうになって、読んでいて嫌な気持ちになりましたが、どうして記憶がなくなったのかわかって詩織を改めて応援する気持ちになりました。兄も詩織の事が好きなのに、血も繋がらない兄弟なのにどうして両想いになれないのかもどかしく思い、呪いのような言葉をかけた父親を恨めしく思いました。
散々自分の辛さをぶつけた妹と最後は本当に仲直りできて、すごく嬉しかったです。兄との恋愛もどうなるか気になっていましたが、苛め抜いた妹と仲直りができるのかすごく気になっていました。妹を苛めていた事を後悔する詩織にまた同情しました。
最終的には番外編という形で、その後の詩織と兄と妹がそれぞれ幸せになった事が確認できてスッキリしました。
こんな人に読んでほしい
ただの恋愛漫画に飽きた人に読んでほしいです。
記憶喪失や兄と妹の恋愛と聞くとものすごくショッキングな内容をイメージしますが、読んでみると家族の大切さや友人の大切さがしっかりと書かれていて心が温かくなります。
すごくかっこいい男性がよく少女や女性向けの漫画には描かれるのですが、この漫画にはすごくかっこいい男性は出てきません。それぞれ人間味に溢れていて、かっこいい所もかっこ悪い所も併せ持った普通の男性が描かれているので嘘っぽくない所がいいです。
ストーリーも主人公に都合よく進んでいかない所に好感が持てます。その分イライラする所もありますが、イライラしただけ最終回を読んだ時に嬉しくなります。