超お金持ち学校の帝国学園が舞台です。元ヤンの主人公灰音は、生徒会長閑雅にヤンキー時代に助けてもらった事があり、ずっと彼に恋をしていました。
そこで学園に入学し、生徒会にも入りましたが、以前とは別人の様な閑雅の態度に困惑します。後に、実は閑雅は病気の為、双子の兄である高成が代わりに閑雅として学園に通っている事が分かります。
しかし、高成をずっと閑雅だと思っていた灰音は、2人の間で気持ちが揺れます。
紳士同名クロスについて
作者:種村有菜
巻数:全11巻
感想、見どころ
閑雅と高成からの灰音へのアプローチにキュンキュンします。そして、ハラハラの三角関係です。
灰音がどっちを選ぶのか、ラスト近くまで分からないので、ずっとドキドキしますし、自分だったらといった妄想をずっと楽しめます。
また、灰音が閑雅の想い人である事を知っている高成が、灰音に近づきたいけど近づけないもどかしさには応援したくなりました。
この3人以外にも、生徒会メンバーには、様々な恋愛の形があります。灰音の親友潮は、過去のいじめにより、誰か1人を愛することが出来ず、恋人を何人も作っていました。
それを知った灰音が、もう一度潮と過去に戻ってやり直そうとするのですが、その手段として長い髪をバッサリ切ったのは衝撃的でした。灰音の意志の強さを感じました。
さらに、幼馴染である真栗とまおらというメンバーがいます。まおらは女装男子で、真栗のことが好きな為、女の子の格好をしていました。
所謂ホモなのですが、絵がとても綺麗だからなのか、真栗とまおらのお互いを想う気持ちがまっすぐで綺麗だからなのか、何故か受け入れる事が出来ます。ラスト近くで灰音も足を踏み外しそうになるのですが、最後の最後に助けてくれたのが閑雅と高成で凄く感激しました。
この作品は、過去に囚われている人が多いですが、灰音のみんなに寄り添う優しさとひたむきな姿勢で、それぞれが前を向いて進めるようになっています。
最後には、登場人物の全員が幸せになるハッピーエンドで、何ともいえない爽快感と幸福感で満たされました。
所々、作者のギャグが入っているので、面白い場面も多々あります。
何といっても、絵の綺麗さと繊細さはピカイチです。
こんな人にオススメ
過去に囚われているが、前を向いて進めるようになりたい人、明るく前向きな気持ちになりたい人、勇気を貰いたい人、青春真っ只中の人にもオススメです。
この作品を通して変わった事
真っ先に変わったのは、生徒会に対するイメージでした。優等生ぶっている人達というイメージから、困っている人を助けてくれる、生徒の為に尽力している、いい人達に変わりました。
そして、少しですが、人の気持ちを考え、人に優しくする事が出来るようになりました。