Petshop of Horrorsは、1話完結ファンタジー形式の動物が絡むホラー漫画です。タイトルはおそらく、昔のホラー映画リトル・ショップ・オブ・ホラーズからきているのでしょう。
今回はそんなPetshop of Horrorsをレビューします。
Petshop of Horrorsについて
作者:秋乃茉莉
巻数:全10巻
あらすじと感想
謎のチャイニーズ、伯爵Dは中性的な魅力的な姿をしておりながら、基本的に動物尊重の人間嫌い。もっともその人間嫌いな部分は、自分をよく知る人たちの前でしか表に出さず、一般の客の前では人当たりのいい青年を演じています。
物語の展開的には、笑うセールスマンだとか、昔の映画グレムリン的な誓約を客と交わし、客がそれを守らずに、恐ろしい目にというパターンです。
鳥を大事にする新興宗教にはまってしまった少女が、知らずに食事に鶏肉を食べてしまい、自家中毒で死んでしまうだとか、死んだ相手が生き返ったと思ったら、実はそれはその相手の姿を借りたバケモノだったとか、基本的にはブラック。
ただし伯爵Dが、人間としては嫌いでもその生き様や性格を、気に入った場合は、さりげなく子飼いのペットたちで復讐をしてくれたりするパターンもあり、暗いだけではありません。
一番の癒しは、登場する動物たちです。
地球上最後の一匹となってしまった鳥や、「ブログにアップするために」購入される子犬や子猫。
実生活に身近で、ちょっと身につまされるお話の他、カッパやお盆の時期の牛や馬に見立てたキュウリやナスまでもが、キャラクターとして(ギャグではなく、お話の中ではシリアスな馬の姿です)ファンタジー色を強めています。
この物語は、タイトルがすべて「D」ではじまる単語となっているのも、要チェックポイントです。
Diningのようによく知っている単語から、dispatch(軍隊などを派遣する)という耳慣れない言葉まで……D縛りは大変かと思いますが、知らない単語を覚えるいい機会ですね。
メインキャラクターは、ケガをすることがあっても、無事なので安心して読めますが、モブ的キャラクターでも死ぬシーンは苦手というかたには、ちょっと向かないシリーズかもしれません。