親同士が再婚することになり、中高生の男女が突然にきょうだいになる、同居することになったというマンガはたくさんあります。
それが元々憧れていた男子の場合もあれば、印象は悪いけれど、顔だけではイケメンという場合もあります。
女子ならば一度は憧れるイケメン男子との同居するという展開。この先駆的少女マンガである「ママレード・ボーイ」。
連載がスタートしたには25年前にも関わらず、絵も内容も全く古さを感じさせない、今なお色褪せない少女マンガです。
今回はそんなママレード・ボーイについてレビューしたいとおもいます!
ママレード・ボーイについて
作者:吉住渉
巻数:全8巻
あらすじ
主人公の小石川光希が高校2年生。ハワイ旅行から帰ってきた両親が笑顔で「離婚しようと思うの」と告げられるところから、物語は始まります。
光希を置いて行ったハワイで、同じく旅行をしていた松浦夫妻と出会い、母親が松浦夫を、父が松浦妻に恋に落ちたため、お互いにパートナーを交換して再婚すると聞かされます。
しかも元々の夫婦間も愛情がなくなったわけではないから、一緒にまとめて6人で暮らすという提案を受けます。
そこで出会ったのが、松浦夫妻の息子の遊です。光希と同い年で、眉目秀麗、成績優秀。性格は他の女子には優しいけれど、光希にはイタズラばかりする、飄々とした雰囲気の遊に、振り回されつつも徐々に惹かれていく光希。
その二人の関係に、男友達の銀太、光希の親友の茗子、そして二人の両親たちが絡み合い、いくつもの盛り上がりを見せます。
人間関係がみどころ!
今でこそ、光希と遊が付き合うのかなと予想できるのですが、読んでいた当時は、もしかして銀太ルートもあるかも?と思わせるリアリティがありました。
これは筆者の吉住先生が、別の結末を考えて描いていたからでした。(その後、現在の形に落ち着く)
その揺らぎが展開を不明瞭にするので、ドキドキしてしまいます。
さらに、ハプニングやイベントなど、飽きのこない展開が続きます。
脇役のキャラクターたちにもスポットを当てられているので、全8巻とは思えないボリュームがあります。けれど、読みやすいからスルスルと一気読みできます。
こんな人にオススメ
吉住作品の魅力はすっきりとした絵と丁寧な展開にあります。
登場人物も皆、味のある良いキャラクターなので、色々な人物に感情移入しやすくなっています。
ママレード・ボーイにも魅力的な当て馬ポジションの男子が登場します。
この時、多くの少女マンガでは、当て馬キャラクターが黙って身を引くという展開になりがちで、それゆえに胸が痛くなり、最後にちょっとスッキリしないということもあります。しかし、ママレード・ボーイは大団円のハッピーエンドでまとまるので、素直に「めでたしめでたし!」という充実した読後感になります。
もちろん、強引なまとめ方ではなく、きちんとキャラクターが動いた末の結末なので違和感はありません。
ハッピーエンドで楽しく読みたいという方にぴったりの少女マンガです。