大学生の青年がある日、人影とぶつかる夢を見ます。目が覚めたらその人影の本人が目の前にいました。それは宇宙人で、私達のような地球人にはない能力をいくつも持っていました。宇宙人はそれを駆使して青年のそばで暮らすのですが、その能力がトラブルを起こしてしまいます。
そんなロングロングケーキについてレビューしたいと思います。
ロングロングケーキについて
作者:大島 弓子
巻数:1巻
■レビュー
宇宙人と暮らしているといっても信じる人がそんなにいるわけがなく、主人公の大学生の青年の友達も信じません。私ももし友達が同じようなことを言い出したら、それを信じないだけでなく友達のことをいろいろ心配するでしょう。
この主人公も周りの人達からそういうふうに見られます。
主人公は才能を開花させ、文章で成功するのですがそれでハッピーエンドとストレートに言えないような気がします。本人達(主人公と宇宙人)は幸せだと思いますが・・。これがどういう意味かというと、この作品の大事なところをばらしてしまうことになるので、ここには書けません。
私は主人公の友人のメガネをかけている方のキャラが好きで、彼が主人公の救いになっているのではと思いました。
もうひとりの友人だけではつらいです。そのもうひとりの友人のことを主人公は好きなのです。普通の人より少し考え方が柔軟で、固定観念にしばられていないメガネの友人はとても精神的に安定していて、こういう人が近くにいてくれたらいいのにと思いました。
宇宙人が主人公に「自分でも気づかない才能があなたの中にうずもれている」と言いますが、もしかしたら誰にでもそういう才能があるのかもしれません(気づかないほうがいい才能もたくさんあると思いますが)。
でも現実には、そういう才能を引き出してくれる宇宙人はいませんから、気づかないままの人がほとんどなのです。私にももしかしたら・・と想像したら、少し楽しくなってきました。
主人公は才能で生きる人生を手に入れたと言ってもいいですが、彼の人生を”恵まれた人生”だと思う人がどれくらいいるのだろうかと思いました。私がもし主人公の家族だったら、とても心配すると思います。現実的ではない設定の作品ですが、かなり現実的なことが描かれている作品でもあり、才能のこと以外にもいろいろ考えさせられました。
こんな人におすすめ
普通の人にしか見えない姿で宇宙人が近くにいるかも・・などと考えている、想像力豊かな人におすすめな作品です。
超能力があればいろいろ楽になるのにと考えている人、現実逃避したい人にもおすすめです。