怖いものと言えば、霊だとか悪魔だとかを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は本当に怖いのは、人間の恐ろしさなのかもしれません。そのことをえぐいぐらいに見せられるのが、悪魔の花嫁です。
かなり怖い内容も盛り込まれていますが、でもつい読みたくなる、不思議な魅力満載のこの悪魔の花嫁をレビューしたいと思います。
悪魔の花嫁について
作者：あしべゆうほ
巻数：全１７巻
妹を助けるために
はるか昔、デイモンは、妹であるヴィーナスを愛してしまった罪として悪魔の姿に変えられてしまいました。
そして兄を愛した妹のヴィーナスもまた、体が生きながら朽ちていくという罰を受けることになります。そんなヴィーナスの救うためにデイモンは、現代でヴィーナスの生まれ変わりだとされる美奈子の体を手に入れ、ヴィーナスの魂をその体に入れようとします。
そんな悪魔につきまとわれるようになった美奈子の周りでは、何度となく様々な奇怪な事件が巻き起こるようになっていきます。
人間の愚かさや怖さが見どころ！
ホラー漫画は数多く出ていますが、霊や悪魔といった怖さがほとんどだと思います。
しかし、この悪魔の花嫁は、人間の怒り、嫉妬といった感情から生まれる怖さが生々しく描かれており、本当に鳥肌が立つぐらい怖いと思ったストーリーが沢山登場します。
一時期ホラー漫画にハマっていた私ですが、この悪魔の花嫁は読んでいて、1、2番ぐらいに位置するぐらいの怖さを感じた漫画です。それまで、霊やら悪魔やらといったものが怖いと思っていましたが、この悪魔の花嫁を読んでからは、人間の感情が招く出来事が一番怖いのかもしれないと思ったぐらいです。
あと、デイモンの心の葛藤の部分も見どころの一つです。妹のヴィーナスを助けたいという気持ちもありつつ、好きになってしまった美奈子の体を奪うこともなかなかできなくなってしまいます。
そんな兄と妹の心の複雑な気持ちが描かれている内容が所々に盛り込まれていて、ただのホラー作品ではない漫画となっています。その複雑な感情が絡まっている部分も面白いところです。
今までにない怖さを体験したい人におすすめ！
ホラー漫画好きだけど、またちょっと違う角度の怖さに触れてみたいという人におすすめの作品です。
オムニバス形式で展開しているので、サクサクと読み進められます。回ごとにしっかりストーリーが出来上がっており、読み直しもしやすいので、お気に入りの内容は思わず何回も読んでしまう魅力があります。
一度読めば、あしべゆうほ先生の独特の世界にハマること間違いないです。
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