ぼくの地球を守ってについて
作者:日渡早紀
巻数:全21巻
あらすじ
主人公は植物や動物の気持ちがわかる女子高生で、ある日同級生が前世の話をしているのを聞いてしまいます。そこから自分もその同級生たちと同じ前世の記憶を共有している事を知り、他にも前世での仲間がいる事がわかります。
前世の記憶と今の自分に悩み、前世での悩みや恋愛が今の自分と周りの人間に関連して色々な事件が起きていきます。
感想
私は最初は主人公の亜梨子と同じ目線で、少し興味本位で登場人物たちの前世を見ていました。しかし話が進むうちに興味本位だけではなくそれぞれ登場人物たちの気持ちがわかってきて、苦しくなったり悲しくなったりしました。
しかも彼らの前世は宇宙戦争の果てに生き残った最後の仲間たちという事がわかり、その悲惨さに愕然としました。特に話のキーポイントとなる輪という少年の前世は過酷で、彼の前世の話は読んでいて涙を抑えられませんでした。
輪は現世ではまだほんの7歳の少年なのに、前世で大人だった時の過酷な体験を思いだしてしまい苦しんでいきます。それに気が付いてあげられない主人公たちにいら立ちました。
前世で最後まで生き残り恋人として生活していた木蓮と紫苑の気持ちの食い違いが、現世で亜梨子と輪を最後まで苦しめます。また現世の二人は9歳も年が離れているので、そこにもそれぞれの苦しみがあって読んでいてハラハラしました。
輪が前世でも使えた超能力を巧みに使うシーンが迫力満点で、外見の可愛さとは違う恐ろしさを感じさせてくれたのも面白かったです。
人物一人一人の描き方が丁寧で、とにかくその世界観に惹きこまれました。まるで自分にも前世があるのではないかと錯覚させられ、読んでいると不思議な感覚になりました。
最終回は涙無くしては読めなくて、本当に素晴らしい最終回でハッピーエンドでした。あまりにも面白かったので友人に勧めたところ、みんなハマってしまいみんなで感想を言い合いました。
人それぞれに好きなキャラクターが違って面白かったです。恋愛漫画が好きな人にはもちろんお勧めですが、SFが好きな人にも満足してもらえると思います。