今回は「琉球のユウナ5巻」のレビューをしたいと思います。4巻の内容を思い出したい方はこちらでレビューしていますので、ぜひみてくださいね。
真鶴の仲間の祝女達は、例の件はまだ動かぬのですか!?とティダの仲間の白澤(はくたく)に詰め寄ります。白澤は、わかっているという表情をしながら、勝手に動くなと釘を刺します。
また、尚真王は何か不穏な動きがあると警戒します。それぞれの思惑が交錯するなかユウナはその渦中に巻き込まれていきます。
簡単なあらすじ
尚真王は、表向きは聖地巡礼の為、家来を引き連れて山の中を進んでいましたが、実はユウナを迎えに行く為、捜索していました。真鶴の仲間の祝女達は、それを好機と思い、ここで尚真王を殺せば、再び権力を手にすることができると行動にでます。
ティダ達は勝手に動くな、と祝女達を止めにいきます。
感想
私が一番印象に残った場面は、真鶴が白澤に命じられて、ユウナを捕まえようとする場面です。真鶴の仲間は一族を再興させるのが長年の悲願でした。その為には、ティダの一族の力に依存しなければできないと思っていました。
ユウナは、それは誰かの力にすがらなければできないことなのですか?と問いかけてきます。私はこの場面を読んでハッとしました。いつもユウナはピンチになると、簡単にはあきらめません。自分にできることはないか、と自問して行動してきました。
私は昔から、誰かに頼らないと何もできないと思っていました。でもこのユウナの考え方で、自分の力でまだできることがあるんじゃないか、と視点を変えることで気持ちが前向きになりました。
おもしろかった場面は、ユウナが思いかけず尚真王に本音を言ってしまうところです。ユウナは、尚真王にお后様や側室ができても‘’お友達‘’ならずっとそばにいられると思っていました。
でも尚真王が、ほかの女の人に微笑んでいたり親しく話しているのを見ると、自分を抑えることができなくなっていました。ユウナがいつもと様子が違うところはコミカルな感じがしておもしろかったし、少し驚いている尚真王もおもしろかったです。
そして、いつも自分の気持ちに気づかないフリをしているユウナですが、思わず本音を言ってしまいます。うわー言っちゃった!どうなってしまうんだろう、というハラハラする気持ちと、尚真王はどのように返してくるんだろう、とドキドキしました。
私がこの巻で気になったのは、ティダの一族に仕えていた末裔が、朱い髪をした女の子を探していたことです。名前は違いましたが、ユウナの顔が、ある人の面影に重なって見えたようです。もしかしてある人の面影は、ユウナに関係しているかも、と思いました。
さいごに
束の間の平和な時間をすごす尚真王とユウナですが、ティダ達はこのままで終わるはずがないと思います。ユウナの幸せそうな笑顔がずっと続くのを見ていたいですが、それが近いうちに壊されそうで胸が痛くなります。
また、ユウナの出生について次第にわかりそうなので、そちらも気になります。尚真王とユウナの関係がどのようになっていくのかも見どころだと思いますので次巻が楽しみです。