今回は「今日、恋をはじめます」の感想について書きたいと思います。
今日、恋をはじめますについて
作者:水波風南
巻数:全15巻
あらすじ
この漫画は、主人公の日比野つばきが高校に入学する場面から始まり、入学したその日に同じクラスの持て男、つばき京汰と衝突、その後、卒業まで続く彼との高校生活を描いた作品です。
主人公のつばきはとても真っすぐな性格で、感情移入して読むとすっきりするのではないかと思います。彼女の視点から、高校生活の3年間を一緒に駆け抜けるイメージです。
また、京汰との恋愛がメインではありますが、京汰を好きなクラスメイトたち(山のようにいます)との対立と和解や、京汰の抱えているDVに関してや、将来の進路を決定するまでの揺れ動きなどがしっかりと描かれています。勿論全員ではありませんが、登場人物の多くの人生が奥行きを持って描かれているので、違う人物の視点から読み直したりしても面白いです。
感想
私が一番好きなのは、つばきの妹の存在です。つばきの妹も京汰が好きで、ガンガンアピールするのです。しかし、まるで相手にされずその代わり京汰が姉のことが好きなことを誰よりも痛感してしまい、結局は京汰のことを諦め京汰の友人と付き合うことになります。
女性としては、鈍感さが全面に押し出されているつばきとはまるで反対の存在です。主人公のつばきは美容師になる夢を見つけ、どんどんおしゃれに磨きがかかっていきますが、そのきっかけには、妹の存在があるのです。
妹は、小学生の頃からずっとおしゃれに気を使っており、中学生ではすでに恋人が家に迎えに来たりしています。そのことを、姉のつばきはずっと見ていたことを思い出すのです。
そうして、努力は恋愛にも必要だということに気が付くのです。
実は、つばきが将来に迷う時も妹はすでに自分の好きなブランドのショップスタッフになる、という目標があり、それを聞いたつばきが焦る場面があるのですが、つばきの妹は自分の思いに素直に行動している姿が際立った存在で、とても女の子らしいところが私は好きです。
どの人物に感情移入してもよいのですが、主人公のつばきであればもてないけれど一途な女性、つばきの妹であれば異性にもてる行動派の女の子など、視点を変えることで何倍にも楽しめる作品です。