お金持ちの学生ってどんな感じなんでしょうね。そんな疑問の答えが垣間見えるマンガについてレビューしてみたいと思います。
有閑倶楽部について
作者:一条ゆかり
巻数:全19巻
あらすじ
「有閑倶楽部」は”一応”学園ものです。主人公は高校生6人組、それぞれが生徒会の役員なので学校内のトップです。生徒達や先生達からいちもく置かれる存在です。理事長に気に入られているので好き勝手できます。
この学校は普通の学校ではなく、お金持ちの家の子供ばかりが通う学校です。夏休みは海外で過ごすのが当たり前な家の子達ばかりなのです。
そんな学校に通う主人公達の日常も、もちろん豪華です。その豪華さが、この作品の見どころのひとつです。夏休みにかぎらず、外国に行きたいときにすぐに自家用ジェットで移動できる生活……これくらいのお金持ちはさすがにそんなにいないと思いますけど。
キャラが魅力的!
「有閑倶楽部」が連載されていたころ、女子どうしで主役の男性キャラ達の中で誰が好きかという話題で盛り上がったことがあります。
とにかく文武両道で語学堪能な清四郎か、機械が得意でロック好きな魅録、この2人に人気は集中しました。もうひとりの男子キャラ、美童は遊び人なので人気なかったです。
女子キャラの3人の中では、大食漢で運動神経抜群だけど勉強が全然できない悠里が1番人気でした。お茶や踊りを身に着けた和風のお嬢様の野梨子や宝石商の娘でこちらも遊び人の可憐は、同性としてはちょっとつきあいづらいのではと思っていました。
このような個性的なキャラクター達が作品の1番の魅力です。
この作品の見どころは他にもあります。
数十年にわたって描かれた漫画なので、そのときどきの時代の移り変わりがわかるところです。最初のころは携帯電話がなかったですし、ノート型パソコンもありませんでした。普通の家にはコンピュータがなく、ネットももちろんありませんでした。どんなにお金持ちの家でもそうだったのです。
これだけでなくキャラクター達が着ているファッションからも当時の流行が見えます。今見ると逆に新しいと思います。
主人公達は永遠の高校性です。この年齢には作者のこだわりがあるので大人編などはたぶん描かれないと思うのですが、だからこそ自分で勝手に6人の将来を想像するのもおもしろいです。