この作品は普通の少女マンガとは一味違うという事を知っておいていただきたいと思います。
普通の少女マンガだったら、可愛いお姫様と素敵な王子様が紆余曲折の上に結ばれる。という話なのですが、この作品は違います。王子様に憧れるあまり、自分が王子様になり、最終的には王子様と決闘するという、かなり突拍子もない話なのです。
少女革命ウテナについて
作者:さいとうちほ
巻数:全5巻
あらすじ
幼い頃に両親を亡くした天上ウテナは絶望の中、一人の王子様に救われます。そして、王子様はウテナの小さな指に薔薇の刻印が施された指輪をはめてくれるのです。
ウテナは自分を助けてくれた王子様のようになろうと決意しました。
鳳学園に男装して通うウテナは、西園寺という生徒から暴力を振るわれている姫宮アンシーを見かけて助けるんです。そして、彼女を助けた事でウテナは決闘へと巻き込まれてしまうのです。
見どころはここ!
一体全体どうなっているの?と、いう摩訶不思議なその世界観そのものが見どころです!
薔薇の花嫁と呼ばれるアンシーを取り合う決闘もそうですが、胸から剣が出てきたり、制服からドレス姿に変身したり、そんな非日常的な出来事が、まるで当たり前のように展開されるのです。その中で、ウテナは王子様になりたい気持ちと、アンシーの兄である鳳暁生への想いに揺れます。
そんなウテナの王子様とお姫様が混ざったようなキャラクターがとても魅力的でした。
そして、囚われたままのアンシーを解放する為に、ウテナは愛した暁生と決闘します。そして、自分は消えてしまうと分かっているのに、アンシーの為に暁生に最後のキスをする時のシーンがとても印象的でした。
自分を変えたいと思っている女の子に見て欲しい!
この作品は、自分を変えたい女の子に見て欲しいです。作品はウテナがメインとなっているのですが、アンシーもまた注目なのです。
彼女は薔薇の花嫁としての役目を淡々とこなします。まるで機械のように、従順に暁生に従います。ですが、彼女は自分を変えない生き方をあえて選んでいたような気がするんです。
誰だって、変わらない日常を退屈と思いながらも、どこかで居心地が良い場所だと思うのです。そこから抜け出す事は、かなり難しいと思うんです。
アンシーは、ウテナと出会い、彼女の心を感じる事で、やっと自分を変える決意をしたのかもしれません。
最終回。アンシーは、ウテナの指輪を受けとります。そして、ウテナのように男装をした彼女の表情は見違えるほど明るいものでした。ウテナは、まさに一人の少女を革命したのです。
ウテナを探す為に居心地が良い学園を離れたアンシーが、必ずウテナに出会える事を願っています。